なぜ5階建て以上のマンションで光回線工事ができないのか？
2005年以前に建築されたマンションは光ファイバーを通す設計になってないことが多く、賃貸でも分譲でも光ファイバーの工事ができないことがあります。
建物自体が5階建て以上だとなおさらです。（ギガスピードの光ファイバー工事はマンションの5階までしか行っていない事が多いです）その際、光回線の配管はVDSL方式となります。
光ファイバーケーブル（FTTH光回線）の導入申請手順
光回線の工事をするためには以下の事をすべてクリアしないといけません。
- 理事会の会合に議案を提出
- 理事会で可決するのに半年
- 管理会社へ決議を提出
- 管理会社から許可が出れば工事可能
- 壁穴あけなど大規模な工事の場合は膨大な工事費用が発生
工事に発生する膨大な費用の負担を全住民に回答させて理事会を通すのが非常に困難です。
工事ができない具体的な理由
解説）FTTHとは
光ファイバーケーブルを部屋まで引き込む工事は、実はマンションの構造や立地条件に大きく左右されます。特に5階建て以上の高層マンションでは、以下のような理由で工事ができないケースがよくあります。
配管の経路が確保できない
光ファイバーケーブルは、電柱からマンションの共用部（MDF室など）を通り、各部屋まで配管を使って引き込まれます。しかし、5階建て以上のマンションでは配管が老朽化していたり、詰まっていたり、そもそも光回線用の配管が設計されていない場合があります。
高層階への直接引き込みが困難
戸建てや低層マンションでは、電柱から直接部屋に光ファイバーを引き込むことが可能ですが、5階以上の高層階ではケーブルの長さや固定方法に制約が生じます。
集合装置（MDF）のポート不足
マンションには光ファイバーを各部屋に分配するための集合装置（MDF）がありますが、これに空きポートがないと新たな光回線を追加できません。
管理組合やオーナーの許可が下りない
光回線工事には、壁への穴あけや共用部への設備設置が必要な場合があります。しかし、5階建て以上の分譲マンションでは管理組合の承認が必須で、賃貸でもオーナーの許可が必要です。
提供エリア外や構造上の制約
光回線サービスには提供エリアがあり、僻地や一部地域では対応していない場合があります。また、高層マンションが川や道路を挟んで電柱と離れていると、光ファイバーを引き込むルートが確保できず、工事ができないこともあります。
光回線の配管工事ができない場合の対策案
「光回線が引けないならどうすればいいの？」と悩む方へ、以下に現実的な対策案を提案します
既存の共用回線を確認する
マンションに既に導入されているインターネット回線（例: VDSLやLAN配線方式）を確認しましょう。光回線ほどの速度は出ない場合もありますが、日常使いには十分なケースもあります。管理会社やオーナーに問い合わせ、利用可能な回線と速度をチェックしてみてください。
光ファイバーに比べると10倍以上遅い回線ですが、それでも光回線なので安定性は高いです。
戸建てプランを検討する
マンションでも「戸建てプラン」で光回線を個人契約できる場合があります。共用部を通さず、電柱から直接部屋にケーブルを引く方法です。
ただし工事費用が高額で多くの場合、壁に穴を開けるためもとに戻す工事費用も発生するリスクが多いです。
さらに、高層階だと難易度が上がるため、事前に工事業者に相談し、実現可能か確認が必要です。また、管理組合やオーナーの許可も忘れずに。
マンション5階居住で実際に断られた事例
NTTフレッツ光、auひかり、ソフトバンク光で契約不可な事例
築22年の分譲マンションに住む我が家でも、NTTフレッツ光、auひかり、eo光、JCOM光で工事不可でした。ソフトバンク光でマンションプランからハイスピードプランへ変更するのも断られました。
VDSLの光回線からFHHTにしたくて、かれこれ10年ほど申込み続けてますが断られ続けています。
理由は同じです。
何度申し込んでも問い合わせても建物自体が光ファイバー工事ができない建物なのでハイスピードプランや1GBpsのギガスピードの光回線は契約できないとのことです。
築2000年以前のマンションでは従来型光回線の100MBpsのインターネット回線しか使えない場合が多いようです。
下り最大100Mbps 上り最大35Mbps
という10年以上前のスペックの光回線です。
現代の光回線（FTTH）回線速度は下り最大1Gbpsから10Gbpsで10倍から100倍高速になっています。
VDSLマンションは光配線の光回線工事ができない
現在主流のギガスピードの光回線はFTTH（光ファイバー）を使った回線です。
これを使うにはマンション（集合住宅）自体が光ファイバーを通す工事を完了させていなければいけません。
マンションの建物自体にもともと光ファイバーが通った建物でない限り、1ギガ以上のギガスピードの光回線を個別の部屋まで工事することはできません。つまり契約ができないということになります。
では、あなたのご自宅、お部屋はどうでしょう？
多くのマンションはこの電話線を使った配線方式には対応しています。
下り最大100Mbpsです。
古い光回線の配線方式です。
いまどきではありません。
光ファイバーが建物（マンション）に通しているかどうか？を調べる方法
集合住宅で光ファイバーのギガ回線が開通可能か調べる方法
調べ方はすごく簡単です。お住まいの集合住宅の住所を入力することで開通可能かどうか？
このような表示が出ても光ファイバー工事はNGなので注意してください
光ファイバーのハイブリッド方式
NTT回線やau，NURO光の工事が無理ならJ:COMの光ファイバーと同軸ケーブルのハイブリッド方式（下り最大1Gbps上り最大100Mbps)は工事可能な場合が多々あります。
こちらの回線は非常に高速で光ファイバーよりも高速な下り速度が安定して出ます。
最新のJCOM NET 1ギガプランは速度も光回線と同等かそれ以上なので一度調べてみることをおすすめします。光ファイバーの引き込み工事できないマンションでは2025年時点では最速の回線と言えます。
ただし、1Gコースに対応しているマンションが非常に少ないです。
もし、マンションが１Gコースに対応していたらかなりラッキーです、
お住まいの建物が対応可能かチェックできます。
シミュレーションの結果1ギガ（１G)が表示されたらOK
（320Mコースしか出ない場合はやめたほうがいいです）
通常、5階建て以上のマンションでは光ファイバー導入の回線工事ができないので、光回線FTTHはあきらめるしか無いのが結論です。
VDSL終了について
NTT東日本・西日本は、2023年10月23日に「フレッツ 光ネクスト マンションタイプ VDSL/LAN配線方式」などの新規受付を終了し、2026年1月31日までにFTTHへの移行工事が完了しなかった場合は、VDSL/LAN方式のサービスが利用できなくなると 発表しています。
現在FTTH光配線が利用可能な建物なのにVDSL回線を使っている世帯の方はVDSL終了と同時にインターネット回線が使えなくなります。
VDSしか使えないマンションはVDSLのまま使えるが
現状VDSLしか使えないマンションの場合は、今後もぞのままVDSL回線を使い続けられます。
※VDSLとFTTHの配線方式の両方が使えるマンションの場合のみ、VDSLが完全に使えなくなるだけなので、2025年のいまVDSLしか使えないマンションはこの先もずっとVDSLは使えます。
しかし、それが逆に今後の課題でもあります。
多くのマンションではFTTHによる「光回線を導入工事自体ができない」というのが2025年の現実です。
NTT回線のVDSLから乗り換えたくてもマンション管理会社（理事会）が工事を進めてくれない以上、FTTHでの乗り換え先が無いのが現実です。（NTT以外のauのVDSLやケーブルテレビ回線などは2026年以降も問題無く使えます）
世間ではFTTHによってインターネット回線は1ギガがあたりまえ。日本中で1Gbpsが標準化しているのにVDSLマンションは世間の10倍遅いインターネット回線しか使えないんです。
マンション工事ができないけどもっと高速な回線がいい
新たにギガスピードのインターネット回線工事をしたくても、工事できないのでハイスピードなインターネット回線が契約ができない！とお悩みの方も多いはずです。
光回線が通らない集合住宅で代わりのインターネット回線
どうしても配管工事ができない代替策
私も15年以上ソフトバンク光の遅い回線でガマンしてたので、J:COMに気づくまで色々試した。
ホームルーターも、今のマンション回線より高速になる場合も多いので選択肢として検討する価値はあります。
ただし、、家族3人以上で常時ネット回線を使うような家庭でもホームルーターはおすすめできません。
ホームルーターをおすすめできるのは、
- ダウンロード速度を優先する方
- １人～2人で回線を使う方
ならホームルーターのほうがいい場合もあるでしょう。
下り（ダウンロード）通信速度はVDSL光回線の2倍から4倍速いです。
ただし、上りは遅いのでアップロードが多い方はVDSLのほうが良い場合が多いです。
5Gエリアにお住まいの場合は5Gホームルーターを使えばVDSLよりも高速な通信が可能です。
本当に高速なホームルーターと安定度高い5G回線の組み合わせです。
宅内工事ができない集合住宅マンションにお住まいで光回線並の高速インターネット回線が必要な方は、このような工事不要のホームルーターを選べば間違いありません。
5階建て以上のマンションで光回線が引けないなら、5G回線のホームルーターも選択肢のひとつです。
