光回線の古いタイプであるVDSLは2026年1月31日でサービス終了となります。
VDSLとFTTHの両方が利用可能なマンションだけがVDSL回線が使えなくなるのでFTTHが使えるマンションなのにいまだにVDSLで契約してる世帯は期限までにFTTHへ切り替えする必要があります。20206年1月31日でVDSLは使えなくなります。フレッツ光VDSL終了いつまで?VDSLかどうか調べる方法
一方、FTTHが利用できない、光ファイバー導入工事ができないVDSLしか使えないマンションの場合は、サービス終了とはなりません。
ただし、そこが大問題です。
世間は戸建てもマンションも1ギガ回線が標準になったのに、VDSLしか使えないマンションは、2026年2月以降もずっとVDSLの遅い回線のままです。
世間では戸建て住宅はすでに1ギガ回線で普及済みで10ギガ回線の導入も進んでいます。2023年からはマンションも1ギガ回線が標準化されています。
固定回線は1ギガが標準化されてる日本ですが、VDSLしか使えないマンションはずっと100Mbpsの遅い回線のまま取り残される状況です。
テレワークなど仕事でも自宅のインターネット回線を使う機会が増えてるのに世間の標準よりも遅い回線を使わざるを得ない。そんなVDSLマンションでホームルーターを検討する方もいると思います。
テレワークで必要な回線速度
まず、テレワークではウェブサイトを見る速さを示す「下り(ダウンロード)速度」だけでなく、こちらの映像やデータを相手に送る「上り(アップロード)速度」も重要になります。
- 下り (ダウンロード): データ受信の速さ。Web会議の相手の映像、メール受信、クラウドからのファイルダウンロードなど。
- 上り (アップロード): データ送信の速さ。Web会議で自分の映像や音声を送る、メール送信、ファイルアップロードなど。動画など大容量ファイルを扱う方には重要です。
テレワークの作業内容と必要な回線速度の目安
ご自身の仕事内容がどのレベルに当てはまるかご確認ください。
レベル | 主な作業内容 | 下り速度の目安 | 上り速度の目安 | Ping値の目安 | ポイント・注意点 |
---|---|---|---|---|---|
Lv.1 基本業務 |
・メールの送受信 ・ビジネスチャット (Slack, Teams等) ・Webサイト閲覧 |
1~5 Mbps | 1 Mbps | 100 ms以下 | ほとんどのインターネット回線で問題なくこなせるレベルです。 |
Lv.2 Web会議 |
・Web会議 (Zoom, Google Meet等) ・社内システムへのVPN接続 ・Word/Excel等の共同編集 |
10~30 Mbps | 5~10 Mbps | 50 ms以下 | ここが快適さの分かれ目。上り速度が遅いと、自分の映像が カクついたり、声が途切れたりする原因になります。 |
Lv.3 データ送受信 |
・数GB単位の大容量ファイルの送受信 ・リモートデスクトップ ・高画質な研修動画の視聴 |
30~50 Mbps以上 | 10~30 Mbps以上 | 30 ms以下 | ファイルのアップロード/ダウンロードの待ち時間を短縮し、 業務効率を上げるには高速な上下回線が求められます。 Ping値が低いとリモート操作も快適です。 |
Lv.4 専門業務 |
・動画/音楽データの扱うクリエイター ・CAD/3Dデータ等を扱う設計者 ・常時接続が求められるデイトレーダー |
100 Mbps以上 | 50 Mbps以上 | 20 ms以下 | 業務効率に直結するため、 安定した高速通信が可能な光回線が推奨されます。 |
快適なテレワークに必要な回線速度のボーダーラインは?
一般的な職種で、ストレスなくテレワークを行うためには、以下の通信速度を安定して確保できることが一つのボーダーラインとなります。
快適なテレワーク環境で最低限の通信速度目安
- 下り速度: 50 Mbps 以上
- 上り速度: 20 Mbps 以上
ご家族が同時にインターネットを利用する(動画視聴、オンラインゲームなど)可能性がある場合は、さらに余裕のある下り100Mbps(200Mbps)以上の回線を選ぶと安心です。(動画やCAD、プログラムファイルなど大きなサイズのデータ使用が多い場合は200Mbps以上の回線は必須でしょう)
VDSLマンションでも100Mbpsを超える回線の選択肢
ホームルーターVDSL比較テレワークに使えるのはどっち?
と疑問を持つことがあると思います。
VDSLの100Mbpsを超えるインターネット回線はホームルーターを含めていくつかあります。
- ホームルーター
- ハイブリッド方式の回線(光ファイバーと同軸ケーブル)
- 次世代VDSL(G.fast)(光ファイバーとVDSL新技術)
以下に、これらについて強みと弱みを含めて解説します。
ホームルーター 選択肢1
ホームルーターはVDSLよりも下り速度が高速です。
工事不要なのでVDSLマンションでの選択肢のひとつとなります。
主要なホームルーターはドコモHome5G、SoftBank Air、WiMAX +5Gです。
ホームルーターはどれも下り最大で4Gbps程度(理論値)ですが、上りが10Mbps程度と、VDSLと比較すると非常に遅くストレスに感じる事が多いはずです。ダウンロード主体であればVDSLよりも高速ですが、大きめなファイル送信やビデオ通話など上り速度も必要なシーンがある場合はストレスを感じることがあるでしょう。
また、ホームルーターはどれも、速度制限がつきものです。
1日のデータ使用量が一定数を超えると速度制限されます。どのくらいの容量を使えば制限されるのか?も各社正確には表現せず、曖昧にした状態のまま何年も経過しています。容量の上限については事業者の都合で変動する。それくらい不安定であるという証拠です。
仕事で使っているネット回線が作業途中で制限されるなんて、ありえないです。
仕事ができない状態になったら誰が責任とってくれるのでしょうか?
通信制限がある回線で仕事をするということはそういうリスクがあるとの理解が必要です。
ホームルーターとVDSL 比較
ホームルーターの主な回線2種類とVDSLを比較しました。
ホームルーター VDSL 比較表
サービス名 | DOCOMO home 5G | SoftBank Air | WiMAX +5G | VDSL (マンション) |
---|---|---|---|---|
回線種類 | 携帯電話網 (5G/4G LTE) |
携帯電話網 (5G/4G LTE) |
携帯電話網 (WiMAX2+/au 5G/4G LTE) |
固定回線 (光ファイバー + 電話線) |
理論値最大速度 (下り) | 4.2 Gbps | 2.1 Gbps | 4.2 Gbps | 100 Mbps |
理論値最大速度 (上り) | 218 Mbps | 非公開 | 286 Mbps | 100 Mbps |
実際の速度 (下り 目安)※ | 約 180~220 Mbps | 約 100~150 Mbps | 約 120~160 Mbps | 約 30~90 Mbps |
実際の速度 (上り 目安)※ | 約 15~25 Mbps | 約 8~15 Mbps | 約 20~30 Mbps | 約 30~90 Mbps |
月額料金 (税込) 目安 | 5,280円 | 5,368円 | 約3,280円~4,700円 | 約4,840円~5,700円 |
速度制限の有無 | あり | あり | あり | なし |
速度制限の目安 | ・データ無制限 ・直近3日間の大容量 通信で制限の 可能性あり (明確な基準は非公開) |
・データ無制限 ・夜間など回線混雑時 に制限の可能性あり ・特定エリアでの 高負荷時に制限の 可能性あり |
・スタンダードモード: 実質無制限 ・プラスエリアモード: 月間30GBまで |
無制限:基本的にデータ 使用量による制限はなし |
速度制限に関する補足
ホームルーター (docomo, SoftBank, WiMAX)
- 3サービスとも「データ容量無制限」をうたっていますが、短期間に極端に多くのデータ通信を行った場合や、回線が混雑する時間帯には速度が制限されます。
- 「どれくらいのデータ量を使ったら制限がかかるか」という明確な基準は公表されていません。一般的な利用(高画質動画の長時間視聴、オンラインゲームなど)で制限がかかることは稀ですが、常に大容量のデータを送受信するような特殊な使い方をすると、制限の対象となる可能性があります。
- WiMAX +5Gの通常のスタンダードモードは容量の制限がありません。スタンダードモードより繋がりやすいauのプラチナバンド(オプション)は、月間30GBの上限が設けられています。これを超えると月末まで速度が大幅に低下(送受信最大128kbps)するため注意が必要です。
VDSL (マンション)
VDSL方式を含む光回線は、基本的に月間のデータ使用量による速度制限はありません。どれだけ使っても、それ自体が原因で速度が遅くなることはありません。
実際に使ってみてダメでした
SoftBank AirとWiMAXを使いましたが、下り30Mbps程度 上り1~10Mbpsとかなり遅いです。
平均してこれくらいの速度でした。
とてもテレワークや動画視聴で使えるものではないです。WiMAXのほうが多少マシでしたが、こちらも速度制限に当たることが頻繁にあったので、固定回線として使うには貧弱なWi-Fiです。
私のマンションではホームルーター使うくらいならVDSLのほうがマシです。
ハイブリッド方式の回線 選択肢2
ハイブリッド方式の回線というのは光回線同様、建物までは光ファイバーで接続し、建物内はテレビ回線の同軸ケーブルを使用するものです。電話回線を使うVDSLより飛躍的に高速になる下り最大1Gbpsを実現しています。
サービス | 最大通信速度(下り) | 最大通信速度(上り) |
---|---|---|
J:COM NET 1G | 1Gbps | 100Mbps |
VDSL | 100Mbps | 100Mbps |
この技術が導入されているのはJ:COMが提供するJ:COM NET 1Gコースという特別なコースです。
- 下り最大1Gbps
- 上り最大100Mbps
- 速度制限、容量制限なし(無制限)
J:COM NET1GコースはFTTHの工事ができないマンションでもテレビ回線の同軸ケーブルがあれば使える回線です。
J:COMには120Mコースと320Mコースもありますが、1Gコースというものが下り最大1GbpsでFTTH並に高速です。
100Mbpsを超える速度の回線を選ぶ際、VDSLマンションで選べる最も高速な回線がJ:COM NET1Gコースです。実測値で300Mbps~700Mbpsとなっています。
ただし、対応エリアが限定的です。そして、1Gコース対象になるマンションはさらに限定されるため、1ギガ回線を使いたくても使えるマンションが少ないのが最大のデメリットです。
J:COM NET 1Gコースのエリアチェック(マンション対応確認)はこちら
VDSL後継の新技術G.fastの回線 選択肢3
VDSLの下り最大理論値を最大800Mbpsまで高めるG.fastという技術を使ったサービスがあります。
auひかりマンションタイプGというサービスです。
方式 | 最大通信速度(下り) | 最大通信速度(上り) |
---|---|---|
G.fast | 664Mbps | 166Mbps |
VDSL | 100Mbps | 100Mbps |
auひかりマンションタイプGはG.fast技術を採用したサービスです。下り最大664Mbps となっており、旧タイプのVDSLを遥かに凌ぐ高速回線になっています。
auひかりマンションタイプG
- 下り最大 664Mbps
- 上り最大 164Mbps
- 速度制限、容量制限なし(無制限)
auひかりマンションタイプGはFTTH工事ができないマンションで選べる最有力の回線です、auひかりでは、現在VDSLが利用できているマンション(マンションタイプV利用中のマンション)は順次マンションタイプGへ移行していく流れになっています。
auひかりマンションタイプGは全国対応です。タイプGに対応するマンションは限定的なので、マンションタイプG利用可能なマンションにお住まいの場合は絶好の乗り換え先となる回線です。
auひかりマンションタイプGのエリアチェック(マンション対応確認)はこちら
VDSLマンション向けインターネット回線 比較表
サービス名 | フレッツ光 (VDSL方式) |
J:COM NET (1Gコース) |
auひかり (マンション タイプG) |
---|---|---|---|
回線/配線方式 | 光ファイバー + 電話線 | 光ファイバー+同軸ケーブル | 光ファイバー + 電話線 (G.fast) |
理論値最大速度 (下り) | 100 Mbps | 1 Gbps | 664 Mbps |
理論値最大速度 (上り) | 100 Mbps | 100 Mbps | 166 Mbps |
実際の速度 (下り 目安)※ | 約 40~90 Mbps | 約 250~700 Mbps | 約 250~600 Mbps |
実際の速度 (上り 目安)※ | 約 40~80 Mbps | 約 50~90 Mbps | 約 100~150 Mbps |
月額料金 (税込) 目安 | 約4,000~5,500円<br>(プロバイダ料込) | 6 | 約4,180円~ |
速度制限の有無 | 原則なし | 原則なし | 原則なし |
工事費用 (税込) 目安 | 22,000円 (実質無料) |
27,000円円 (キ実質無料) |
41,250円 (実質無料が) |
※実際の速度は「みんなのネット回線速度」等の実測値データを基にした目安です。建物の配線状況や利用者の混雑具合によって大きく変動します。
各サービスの特徴とポイント解説
フレッツ光 (VDSL方式)
- 特徴: NTTが提供する最も普及している光回線サービスです。建物までは光ファイバーですが、各戸へは既存の電話線を利用して接続します。
- ポイント:
- 速度: 上下ともに最大100Mbpsが上限となり、他の方式と比べると速度は控えめです。
- 安定性: 電話線を利用しますが、有線接続のため通信は比較的安定しています。
- プロバイダ: 好きなプロバイダを自由に選べるのがメリットです。
- こんな方におすすめ:
- Webサイト閲覧やSNS、標準画質の動画視聴がメインの方。
- 利用したいプロバイダが決まっている方。
J:COM NET (1Gコース)
- 特徴: ケーブルテレビの同軸ケーブルを利用してインターネットに接続するサービスです。
- ポイント:
- 速度: 下り速度は最大1GbpsとFTTH光回線並みに高速です、上り速度はVDSL同等かやや速い程度です。
- 提供エリア: 提供エリアが限定的なので、利用可能か事前の確認が必要です。
- こんな方におすすめ:
- テレワークが多い方、大容量データのダウンロードや高画質な動画ストリーミングを快適に楽しみたい方。
auひかり (マンション タイプG)
- 特徴: VDSLと同じく電話線を利用しますが、「G.fast」という高速通信技術を用いることで、VDSLよりも大幅に速い速度を実現しています。
- ポイント:
- 速度: 電話線を利用する方式としては非常に高速で、特に上り速度はJ:COMよりも速いのが強みです。
- 料金: 高速ながら、月額料金はVDSLのまま安価に設定されています。
- スマホセット割: auやUQ mobileのスマートフォンを利用している場合、「auスマートバリュー」が適用され、スマホ料金が割引になります。
- こんな方におすすめ:
- お住まいのマンションがVDSL方式だが、より速い速度を求めている方。
- auやUQ mobileのユーザー。
- テレワークが多い方、ビデオ会議やオンラインゲームなど、速度を重視する方。
まとめ
それぞれのサービスを選ぶなら
- 安定性重視なら → フレッツ光 (VDSL方式)
- 下り速度とセット割引重視なら → J:COM NET 1G
- VDSLからの速度アップとコスパ重視なら → auひかり (タイプG)
- auひかりマンションタイプG、J:COM NET1Gがエリア外だけど下りだけでも高速にしたい人→ホームルーター(WiMAX +5G)
現状で不満がないならVDSLのままでいい
いま現在、インターネット回線に不満がないなら、お使いのVDSLのままで良いはずです。
テレワークで責任ある仕事を持ち帰るなら世間に遅れを取る遅い回線は改善すべきですが、日常生活の動画視聴など趣味的要素が強い場合で不満がないならそのまま使えるVDSLのままが良いと思われます。
テレワークするならJ:COM NET 1Gが最適で快適
現状の回線速度に不満がある、世間一般のインターネット回線より10倍も遅いなんてストレスを感じる。そういう場合はより高速なインターネット回線へ乗り換えを検討すべきでしょう。
VDSLマンションにお住いの方が選べる最速のインターネット回線はJ:COM NET 1Gコースです、エリアは限定的なので、お住まいのマンションが1Gコース対応マンションなら非常にラッキーです。
J:COM NET 1Gコースのエリアチェック(マンション対応確認)はこちら
J:COM NET1Gへソフトバンク光VDSLから乗り換え比較レビューはこちら

世間の標準的な速度200Mbps~500Mbpsを達成するなら
全国対応で選べる高速回線はauひかりマンションタイプGです。マンションタイプG対応マンションも限定的なので、お住いのマンションがG.fastに対応している、あるいはまもなく対応予定ならラッキーです。
auひかりマンションタイプGのエリアチェック(マンション対応確認)はこちら

ホームルーターは最終選択肢
ホームルーターはよほどの理由(下りだけ高速にしたい)が無い限り、VDSLから乗り換えるのはハイリスクですが、ダウンロード速度は本当にVDSLよりも速いです。
WiMAXは契約期間縛りが無いプランで契約すればいつでも解約できます。ホームルーターで速度制限にあたるかどうか?半年ほど使って判断するなど、VDSL光回線と併用するのも一つの方法です。