モバイルインターネットがますます私たちの生活に欠かせなくなっている現代、外出先でも安定した高速通信を求める声は高まる一方です。WiMAX 5Gは、そんなニーズに応える高速モバイルインターネットサービスとして多くの方に利用されています。しかし、「プラスエリアモード」や「データ容量制限」など、初めて耳にする方には分かりにくい用語や仕組みも少なくありません。
この記事では、WiMAX 5Gの通信エリアやデータ容量制限について分かりやすく解説し、あなたに最適な使い方をご提案します。外出先でインターネットが突然繋がらなくなって困った経験はありませんか?それは「エリアモード」の設定を知らなかったためかもしれません。「月末になると急に通信速度が遅くなった」という経験も、データ容量制限の仕組みを理解していれば避けられたかもしれません。
さあ、WiMAXの可能性を最大限に引き出すための知識を、今から一緒に見ていきましょう。
WiMAX 5Gとは?基本的な仕組みを理解しよう
WiMAX 5Gは、UQコミュニケーションズが提供する高速モバイルインターネットサービスです。その名前の通り、5G通信に対応していることが大きな特徴です。従来のWiMAX 2+と比較すると、通信速度が格段に向上し、通信エリアも拡大されています。
WiMAX 5Gは、2021年4月にサービスが開始され、auの4G LTEにも対応しているため、以前よりもさらに広いエリアでインターネットを利用できるようになりました。
WiMAX 5Gの基本スペック
WiMAX 5Gの基本的な性能を見ていきましょう。
WiMAX 5Gは最大4.2Gbpsという大幅に向上したスピードを実現しており、家でも外でも快適なインターネット環境を提供します。これは従来のWiMAX 2+と比較すると、格段に速い通信速度です。
ただし、実際の通信速度はベストエフォート型であるため、以下の要因によって変動します:
- お客さまのご利用環境
- 回線の混雑状況
- エリアの状況
WiMAX 5Gの通信モードを理解する
WiMAX 5Gには、大きく分けて2つの通信モードが存在します。「スタンダードモード」と「プラスエリアモード」です。これらの違いと特徴を詳しく見ていきましょう。
スタンダードモード(標準モード)
スタンダードモードは、WiMAX 5Gの標準的な通信モードで、au 4G LTE(Band1・3)、au 5G(N78)、WiMAX 2+(Band41)の回線を、データ通信量の制限なく利用できます。
スタンダードモードの特徴:
- 追加料金なしで利用可能
- データ通信量に制限がない
- 全国の主要都市でカバー
- 基本的な通信手段として最適
ただし、au 5GやWiMAX 2+は高周波数帯を使用しているため、通信速度は速い一方で、遮蔽物に弱く、地下や屋内では繋がりにくいというデメリットがあります。そんな場合に役立つのが、次に紹介する「プラスエリアモード」です。
プラスエリアモード(+Aモード)
プラスエリアモードは、WiMAX 5Gで提供している有料オプションのひとつで、auが提供する「プラチナバンド」を使えるようになることで、スタンダードモードよりも広いエリアで通信できるようになります。
プラスエリアモードの主な特徴:
- 月額1,100円(税込)の追加料金が発生(お申し込み不要)
- プラチナバンド(700-800MHz帯)を使用するため、屋内でも繋がりやすい
- 地下鉄・トンネル内・山間部などスタンダードモードが繋がりにくい場所での利用に最適
- auの5G/4G LTEエリアを広くカバー
プラスエリアモードは料金が発生しますが、「auスマートバリュー」またはUQ mobile「自宅セット割 インターネットコース」の適用期間中はプラスエリアモードのオプション利用料が無料になります。また、プロバイダによっては、2025年4月現在、Vision WiMAXなどのようにプラスエリアモードを無料で利用できるサービスもあります。
WiMAX 2+とWiMAX 5Gのモードの違い
従来のWiMAX 2+と現在のWiMAX 5Gでは、通信モードの呼称や仕様が異なります。混同しないよう、その違いを理解しておきましょう。
項目 | WiMAX 2+ | WiMAX 5G |
---|---|---|
標準モード | ハイスピードモード | スタンダードモード |
拡張モード | ハイスピードプラスエリアモード | プラスエリアモード |
拡張モードの月間上限 | 7GB | 30GB |
上限超過後の影響 | 全モードが128kbpsに制限 | プラスエリアモードのみ制限 |
5G回線対応 | × | ○ |
WiMAX 2+でauプラチナバンドが利用できるハイスピードプラスエリアモードを選択し、月間上限の7GBまで使用した場合はすべてのモードで速度制限となり、月末まで128kbpsの超低速になっていました。
一方、WiMAX 5Gでは、プラスエリアモードの月間通信容量は30GBまでとなっており、通信容量を超過した場合でも、標準プランであるスタンダードモードでは通常の速度で通信が可能です。これは、WiMAX 5Gが従来のWiMAX 2+よりも使いやすくなったことを意味します。
プラスエリアモードの制限と注意点
プラスエリアモードは便利なオプションですが、いくつかの制限や注意点があります。
データ容量制限
プラスエリアモードには、当月のご利用通信量が30GBを超えた場合、当月末までの通信速度を送受信最大128kbpsに制限する仕組みがあります。ただし、スタンダードモードのご利用時は対象外です。
この制限は2023年6月から変更され、それまでのプラスエリアモードの速度制限の適用条件である「月間15GB超過時」から「月間30GB超過時」へと緩和されました。
この変更は利用者にとって大きなメリットで、プラスエリアモードをより使いやすくなりました。しかし、上限を超えるデータ通信を行うと、当月中はプラスエリアモードに速度制限がかけられてしまうため、せっかくの有料オプションの恩恵を得られなくなってしまいます。使いすぎには注意しましょう。
モード切替の注意点
プラスエリアモードに切り替える際は、「プラスエリア(+A)モードに設定すると追加料金が発生する場合があります。」というメッセージが表示されます。うっかり切り替えて料金が発生することを防ぐため、メッセージが表示されたら必ず確認するようにしましょう。
また、プラスエリアモードを選択後、別モードに選択し直した場合でも同月の利用料は日割りとはならず、月額1,100円(税込)が発生します。そのため、月の途中でほんの少しだけ使用した場合でも、月額料金は満額請求されることに注意が必要です。
その他の通信制限
WiMAX 5Gには、プラスエリアモードの容量制限以外にも、いくつかの通信制限が存在します。
一定期間内に大量のデータ通信のご利用があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限する場合があります。また、エリア混雑状況により速度を制限する場合や、ネットワークの継続的な高負荷などが発生した場合、状況が改善するまでの間、サービス安定提供のための速度制限を行う場合があります。
プラスエリアモードへの切り替え方法
プラスエリアモードへの切り替えは、お使いのWiMAX端末によって操作方法が異なります。代表的な機種の切り替え方法を紹介します。
Speed Wi-Fi 5G X12の場合
Speed Wi-Fi 5G X12でプラスエリアモードに切り替える場合、本体のディスプレイ上で操作します。以下の手順で切り替えが可能です:
- ホーム画面から「設定」をタップ
- 「通信設定」をタップ
- 「通信モード設定」をタップ
- 「+A(プラスエリア)モード」を選択
- 「通信モードを設定しますか?」のメッセージが表示されたら「OK」を選択
スタンダードモードに戻す場合は、同じ手順で「ST(スタンダード)モード」を選択します。
Speed Wi-Fi DOCK 5G 01の場合
Speed Wi-Fi DOCK 5G 01でプラスエリアモードに切り替える場合も、本体のディスプレイ上で操作します。
- メニューボタンを押す
- 「通信モード設定」を選択
- 「+A(プラスエリア)モード」を選択
- 確認メッセージが表示されたら「OK」を選択
WiMAX 5Gプランの料金比較
WiMAX 5Gは複数のプロバイダから提供されており、料金プランや特典が異なります。主要なプロバイダの料金比較を見てみましょう。
プロバイダ | 月額料金(標準) | プラスエリアモード料金 | 特典・注意点 |
---|---|---|---|
UQ WiMAX | 4,268円 | 1,100円 | auスマートバリュー適用でプラスエリアモード無料 |
Vision WiMAX | 3,883円 | 無料 | プラスエリアモードが無条件で無料 |
カシモWiMAX | 3,784円 | 1,100円 | 新端末での契約が可能、月額最安 |
BIGLOBE WiMAX | 4,378円 | 1,100円 | データ容量無制限、最低利用期間なし |
WiMAXはどこのプロバイダと契約しても、通信回線や速度、端末は全く同じです。そのため、お得にWiMAXを利用したい方は実質月額料金が一番安いプロバイダがおすすめです。
また、UQ WiMAXでは、auスマートバリューもしくは自宅セット割に加入することで、プラスエリアモードが無料で利用できます。Vision WiMAXにはそのような条件がなく、無条件でプラスエリアモードが無料です。
最新端末の特徴と選び方
WiMAX 5Gの性能を最大限に引き出すためには、最新の端末を選ぶことも重要です。2025年4月現在、主要な端末と特徴を紹介します。
モバイルルーター
- Speed Wi-Fi 5G X12
- 特徴:コンパクトでポータブル、バッテリー内蔵
- 用途:外出先での使用に最適
- Speed Wi-Fi DOCK 5G 01 X12と比べ最大接続台数が多く、バッテリー容量も優れています。また、同梱されているドックに装着することで、通信速度や通信品質が向上し、より安定したインターネット接続が実現できます。
ホームルーター
- Speed Wi-Fi HOME 5G L13
- 特徴:固定設置型、安定した通信環境
- 用途:自宅での固定インターネット回線の代替として最適
- Speed Wi-Fi HOME 5G L12/L11
- 特徴:L13の旧モデル、性能は若干劣るが安価
ホームルータープランはホームルーターにのみ契約可能です。モバイルルーターでホームルータープランを契約することはできません。
エリアの確認方法
WiMAX 5Gを契約する前に、自宅や職場、よく訪れる場所がサービスエリア内かどうかを確認することが重要です。
2025年4月現在、WiMAXサービスエリアは、日本全国の生活圏において、おおむね「スタンダードモード」通信設定でのインターネット利用が可能です。「スタンダードモード」と「プラスエリアモード」それぞれの通信エリアは「UQ WiMAX サービスエリアマップ」で確認できます。
WiMAXのお申込み手続きをする前に、お住まいの地域や、よくお出かけする地域をUQ WiMAXのサービスエリアマップで確認してみることをおすすめします。
WiMAX 5Gを最大限活用するためのTips
WiMAX 5Gをより効率的に使うためのコツをまとめました。
1. 適切な通信モードの使い分け
- 普段は「スタンダードモード」で利用し、通信が不安定な場所や地下、建物内では「プラスエリアモード」に切り替える
- 月末にプラスエリアモードの容量制限にかからないよう、使用量を管理する
2. バッテリーの長持ちさせる工夫
バッテリーモードによっても通信速度が変わります。モードを切り替えると充電を長持ちさせることもできます。
- 外出時は省電力モードに設定
- 使用しない時はWi-Fi機能をオフに
- 充電しながらの長時間使用は避ける
3. 設置場所の最適化
ホームルーターやモバイルルーターの設置場所によって、通信速度は大きく変わります。
- 窓際など電波の入りやすい場所に設置
- 金属製の障害物や電子レンジなどの電子機器から離す
- 可能であれば高い位置に設置
よくある質問と回答
Q: スタンダードモードにデータ容量の制限はありますか?
A: スタンダードモードでのご利用のみの場合、月間の通信速度制限は適用されません。データ容量を気にせず利用できます。
Q: プラスエリアモードの料金を無料にする方法はありますか?
A: UQ mobile「自宅セット割 インターネットコース」または「auスマートバリュー」の適用期間中はプラスエリアモードのオプション利用料は無料となります。また、Vision WiMAXなど、一部のプロバイダでは無条件でプラスエリアモードが無料のサービスもあります。
Q: プラスエリアモードの30GB制限を超えた場合、いつ解除されますか?
A: プラスエリアモードで月間データ容量を超えた場合、当月末までの通信速度を送受信最大128kbpsに制限します。翌月1日に制限を順次解除します。
Q: WiMAX 5GとWiMAX 2+の違いは何ですか?
A: WiMAX 5Gは5G通信に対応し、通信速度が大幅に向上しています。また、プラスエリアモードの月間通信容量は30GBまでとなっており、WiMAX 2+のハイスピードプラスエリアモードの7GBよりも多くのデータを利用できます。さらに、容量を超過した場合でも、標準モードは制限されない点も大きな違いです。
まとめ:あなたに最適なWiMAX 5Gの使い方
WiMAX 5Gは、スタンダードモードとプラスエリアモードを上手に使い分けることで、より快適なモバイルインターネット環境を実現できます。プラスエリアモードは月額1,100円(税込)の追加料金が発生しますが、auやUQ mobileとのセット割を適用することで無料になります。また、一部のプロバイダでは無条件で無料のサービスもあります。
プラスエリアモードのデータ容量制限は2023年6月から30GBに拡大され、より使いやすくなりました。ただし、30GBを超えると当月末まで最大128kbpsに制限されるため、大容量のデータ通信が必要な場合は注意が必要です。
最新の端末を選び、適切な設置場所で利用することで、WiMAX 5Gの性能を最大限に引き出すことができます。ぜひ、この記事の情報を参考に、あなたに最適なWiMAX 5Gの使い方を見つけてください。