5階建て以上のマンション集合住宅で光ファイバー導入の配管工事ができなかった方へ朗報です。
光ファイバーFTTH導入でネット環境が大きく変わる
お住まいのマンションのインターネット回線が遅くてイライラしていませんか?特に5階建て以上の高層マンションにお住まいの方は、「高速インターネットが使えない」という問題を抱えていた方も多いのではないでしょうか。

朗報です!NTT東日本が2024年11月から、マンション入居者からの直接リクエストによる「光配線化」サービスを開始しました。これにより、今まで光回線の導入が難しかった高層マンションでも、高速インターネットが使える可能性が大きく広がります。
FTTHとVDSL、何が違うの?
この記事を読んでいる方の中には「FTTHって何?」「VDSLって何?」と思われる方もいるでしょう。まずは、これらの技術の違いを簡単に説明します。
FTTH(Fiber To The Home)とは
FTTHは「Fiber To The Home」の略で、文字通り「家庭までの光ファイバー」という意味です。NTTの電話局から各家庭まで、光ファイバーケーブルが直接引き込まれる方式です。光信号をそのまま家庭内まで届けるため、最大1Gbps(ギガビットパーセカンド)、さらには最新の「フレッツ 光クロス」では最大10Gbpsという超高速通信が可能になります。
VDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)とは
一方、VDSLは「Very high-bit-rate Digital Subscriber Line」の略で、マンションの共用部分(MDF室など)までは光ファイバーで通信し、そこから各部屋までは**既存の電話線(メタルケーブル)**を使って通信する方式です。光信号を電気信号に変換して各部屋に届けるため、通信速度は最大で100Mbps程度に制限されてしまいます。
同様に、LAN配線方式も共用部分から各部屋までLANケーブルを使用するため、やはり最大100Mbpsの制限があります。
なぜ高層マンションでは光配線が難しかったのか
これまで5階建て以上の高層マンションでは、光ファイバーを各部屋まで引き込むことが技術的・構造的に困難でした。主な理由は以下の通りです:
- 配管スペースの不足: 高層マンションでは、各階を通る配管スペースが限られており、新たに光ファイバーを通すための十分なスペースがありませんでした。
- 工事の複雑さ: 既に入居者がいる状態での工事は、騒音や生活への影響を考慮する必要があり、実施が難しいケースがありました。
- コスト面の問題: 電話線を再利用できるVDSL方式に比べ、新たに光ファイバーを引き込む工事は費用がかかるため、マンションオーナーや管理組合が導入に消極的でした。
このような背景から、多くの高層マンションではVDSLやLAN配線方式が採用されてきました。
NTT東日本による新たな取り組み
今回のNTT東日本の新たな取り組みでは、次のような画期的な変更があります:
- 入居者主導で申し込み可能: これまではマンションオーナーや管理会社からの申し込みが必要でしたが、今回からは入居者が直接NTT東日本に要望を出せるようになりました。
- 専門スタッフによるサポート: NTT東日本の専門スタッフが、マンションオーナーや管理会社への説明・交渉を全面的にバックアップします。
- 技術的な再検討: 過去に光配線化を断念した物件でも、最新の技術で再度調査・検討を行い、可能な方法を提案します。
- 光コラボも対象: ドコモ光やSoftBank光などの光コラボレーションモデルの利用者も対象になります。
なぜ今、光配線化が推進されるのか
NTT東日本がこの時期に光配線化を強く推進する理由はいくつかあります:
- 環境負荷の低減: VDSL/LAN方式から光配線方式への切り替えにより、消費電力を大幅に削減できます。NTTグループは日本の電力消費の約1%を占めているため、この取り組みは環境保護にも貢献します。
- コスト効率の改善: VDSL/LAN方式の機材費や電気代が高騰しており、古い設備を維持するよりも光配線化した方がコスト効率が良くなってきています。
- 料金改定: 2025年4月1日からは、VDSL/LAN配線方式の月額料金が光配線方式と同額になる料金改定が予定されています。つまり、同じ料金なら高速な光配線の方がお得になります。
マンションオーナーにとってのメリット
マンションオーナーや管理組合にとっても、光配線化は単なる出費ではなく「投資」と捉えることができます:
- 資産価値の向上: 高速インターネット環境は物件の魅力を高め、入居率や賃料にもプラスの影響を与えます。
- 入居者満足度の向上: テレワークやオンライン授業、動画視聴など、高速通信を必要とするライフスタイルが一般的になった今、快適なネット環境の提供は入居者満足度を大きく左右します。
- 将来の入居者確保: 物件を選ぶ際に「高速インターネット環境」は重要な条件の一つとなっています。光配線があることで、将来の入居者確保にも有利になります。
あなたのマンションは対象?確認方法と申し込み方法
自分の住むマンションがどの配線方式か確認するには、NTT東日本の「フレッツ光のエリア検索」ページで住所を入力して調べることができます。
表示結果が「フレッツ 光ネクスト マンションタイプ」となっている場合は、現在VDSL/LAN配線方式が使われている可能性が高く、光配線化のリクエスト対象となります。
光配線化を希望する場合は、NTT東日本の「光配線方式の設備(光スプリッタ)導入ご要望入力フォーム」から申し込みができます。申し込み後は、NTT東日本の専門スタッフがマンションオーナーや管理会社に提案を行います。
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